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2008/2/29 (Fri.) 20:27:23

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ちなみ
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| 2008/2/29 (Fri.) 21:11:18 |
また 喀血・・・ 少年は ひとり宵のなかつぶやいた。 いつだっただろう・・・ 明るい日の下でほほえんでいたのは。 いつだったか 突然、意識を失ったのは・・ そして いつ この命の光は消し去られるのか・・・ もう僕は 永くは生きられはしない。 母は 今日、扉の影で泣いていた。 父は 僕の眼を見られなかった。 僕は 必死で笑顔を浮かべて気づいていないふりをした。 わかっている。もうこの体は生きようとしていないということは・・・
少年は 唇の血をぬぐいとり、窓を開いた。 彼の血は 彼がまだ生きているのにもかかわらず、冷たかった。
明日を きっと僕はむかえられはしない。 たったひとり、この白い病室のなか骸となっていく・・ 死は 怖くない。この病の苦しみから僕を解放してくれるたったひとつのもの・・・ ただ・・ひとりが このうえなく怖い・・・・・! 僕が この世を去る前に誰もそばにいないということが このうえなく・・寂しい・・・・ ああ せめて・・・せめて これ以上はなにもいらないから せめて誰か 僕のそばで・・僕とともにいて・・・・・!!! ゴホッ・・・ゲホゲホゲホ・・・・・・・
少年のたったひとつの最期の祈りを 神がお聞きくださったか 優しい桃色の桜の花びらが 彼のそばへと舞い飛んできた。花びらは やわらかく少年を包み、けっして止まなかった。
少年は 感謝の涙を流した。もう自分の運命を 恐れることはなかった。 ・・・・ありがとう・・・ いままで自分の そばにいた父、母、そして すべての人々よ・・・・・・・
少年は 静かに眼を閉じ、二度とその眼をあけなかった。 しかし、永き眠りについたその顔は 誰より幸せそうだった。 舞い散る桜吹雪が少年にいつまでもいつまでもふりそそいでいた・・・・・・・
初めて 参加させていただきました、ちなみです。 こちらのとてもハイレベルな絵と文章に 感激してしまいました・・・っ!!! まだまだ 他の作品には及びませんが、あたたかい目で見守ってやってください。 ではでは 失礼しました。 |
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管理人:波郎
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| 2008/5/11 (Sun.) 07:10:44 |
咳の震えと共に、あまりにも呆気なく喀き出された鮮血。 これで一体何度目だろう。次第次第にその間隔は狭くなって。 苦しさと疲労に意識を手放せば、夢に現れるのはいつも、遥か遠い幸福な日々。 日の光、笑い声、他愛もない会話…淡く輝く思い出さえも、再び襲う発作に容赦なく打ち砕かれてしまう。 息をするのもつらいと思うことがある。 自分の体がとても冷たいと感じることがある。 こうして僕は、この世界から静かに滑り落ちてゆくのだろう。 咳をするたび、母は優しく背中を摩ってくれた。 呻き声を上げるたび、父は厳しく励ましてくれた。 でももう二人とも、あまり僕の傍へは来てくれない。 何故だかは分かっている。父も母も、僕のことをとても愛してくれているからだ。 どんなに背を摩っても最早咳は止む事はなく、どんなに強く励ましても最早苦痛が去ることはない。 そのことを僕以上につらく感じてくれているからこそ、両親は、僕の顔を見たくないのだ。 僕は幸せ者だ。こんなにも愛されて。よく分かっている。 でも、それでも…。
掌を濡らした鮮血を拭い、枕元へと手を伸ばす。 開いた窓の外は、穏やかな春の宵。
僕は胸に手を当てた。
ああ静かだ。 僕の、最後の夜。 もう苦しまなくて良い。もう悲しまなくて良い。 全てのつらいことから今夜、解放されるんだ。 深い安堵に僕は微笑んだ。微笑んだはずだったのに。
僕の瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。
僕は嗚咽していた。 子供のように泣きじゃくっていた。 寂しい。寂しい。寂しい。 お願い誰か傍に居て。 今まで言えなかった事。ずっと我慢をしてきた事。 寂しかった。ずっと寂しかった。誰かお願い手を握っていて。どうか僕を、抱き締めていて…!
嘆きは叫びは声にはならず、血潮となって喉から溢れた。
…寒い…寒い…誰もいない… ……嗚呼僕は、ひとりぼっちだ………
少年の魂が凍えかけたとき、ひとひらの奇跡が舞い降りた。 それは淡い桃色の桜の花びら。 はらはらと、はらはらと、寄り添うように、擁くように、降り頻る花びらは止むことなく、少年の涙に濡れた頬を、紅に濡れた胸を、やわらかにまどかに包み込んでゆく。
…ああ…皆……そこに居てくれたんだ……
凍てつく涙はいつの間にか、あたたかな感謝の涙へと変っていた。
…僕はもう、さびしくなんかない……おとうさん…おかあさん…みんな……いままでほんとうに…ありがとう………
舞い散る花びらのぬくもりに擁かれて、少年の魂は静かに天へと昇っていった。
朝の光の中、少年の寝顔はとても安らかだった。 真っ白な頬に浮かんだ笑みは、まるで幸福な夢でも見ているかのように穏やかだった。 そして一体どこから舞い込んできたのだろう、胸に置かれた掌の中には、 ひとひらの、桃色の、
桜の花びら
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管理人:波郎
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| 2008/5/11 (Sun.) 07:11:20 |
ちなみさん、初めまして! こちらの掲示板にご参加下さいまして誠にありがとうございます。皆様がお寄せ下さった素晴らしい作品の仲間入りをしていただき、とても感謝をいたしております。 この度ご返事が非常に遅くなってしまいまして本当に申し訳ありませんでした。
重い病に、自らの終わりのときを悟った少年。 誰よりもそのつらさを感じ孤独に打ち震えながらも、周囲の人を慮る彼は、自らの思いを決して口にすることはなかったのですね。 でもいよいよ最期という時に、それまで抑え込んでいた寂しさが悲しみが溢れ出し…。 その健気な少年の涙に、神様が最初で最後の奇跡を与えて下さったのでしょう。 少年を抱くように降り頻る桜の花びらは、彼が愛し、彼を愛している全ての人々のぬくもりを伝え、彼の純粋な心根を讃えて、静かに天へと導いていったのでしょう。
私はこの少年の姿に、「花さき山」という童話を思い出しました。
哀しみの中にもひっそりと美しい救いの感じられる作品をどうもありがとうございました。 よろしければまたぜひ、素晴らしいお話をお聞かせくださいませ。 心よりお待ち申し上げております。
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管理人:波郎
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| 2008/6/8 (Sun.) 12:10:53 |
| 保存です |
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管理人:波郎
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| 2008/7/4 (Fri.) 17:07:26 |
| 保存いたします |
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